CAPつうしん

20号(PDF) てい子・与那覇・トゥーシーさん講演会
「子どもに寄り添い支援する!~アメリカの児童福祉の現場から」
19号(PDF) シンポジウム「実は身近にあるキケン 知りたい!教えて!薬物、裏サイト、デートDV…」
18号(PDF) 森田ゆりさん講演会より「ココロの中の生きるちから」
17号(PDF) 長田 清代表 講演会より「いじめを解決するための大人の役割」後半
16号(PDF) 長田 清代表 講演会より「いじめを解決するための大人の役割」前半
15号(PDF) 高里 鈴代さんが語る「CAPへの期待」
12号(PDF) 10周年記念シンポジウム後半
11号(PDF)  10周年記念シンポジウム1部「CAPの活動の原点を語る」

CAPつうしん10号より

「希望を持ち続けて」

NPO法人 おきなわCAPセンター 代表理事   長田 清

おきなわCAPセンターが発足して10年になります。
私は精神科医として仕事をしている中で、その2、3年前より児童虐待(child abuse)という言葉を社会学や心理学の分野でチラホラ見かけるようになっていました。それまで、親が我が子を、大人が子どもを虐待するということなどあるはずがないと信じていましたし、精神科で扱う残忍な人間性を精神病質として幾つかのタイプに分けますが、そういう中にも記載されていません。それが新しい論文や、本を読むと、親が子どもを虐待しているのは少なからずあり、その暴力がabuse(嗜癖)という言葉で表現されているということを知って大きな衝撃を受けました。
早速、東京の児童虐待防止活動をしている専門家グループと接触を持ち、研修会や事例検討会などに出かけるようになりました。そのグループは危機介入を中心に行っており、児童相談所が手をこまねいている虐待関係に、果敢に介入して問題を解決していく活動です。それはそれで立派な活動でしたが、何かその活動に私は喜びが感じられず、重い気持ちを引きずって帰ってきました。昼は昼で重症の患者さんの治療で精神的な力仕事をして、夜は夜で立ち上げた沖縄児童虐待防止研究会のメンバーと悲惨な虐待ケースの事例検討会を持っていました。疲れるけど使命感があり、メンバーも意欲があったので、やるしかないという思いです。(・_・、)
そんな中で、アメリカ生まれのCAPの活動を知ったのです。虐待する大人を取り締まったり、治療するというのではなく、子ども達に勇気と知恵を与えて、自らを守る方法を教えていくという活動の素晴らしさに感動を覚えました。これだ、求めていたのはこれだ!という思いです。早速、虐待防止研究会のメンバーがこのCAPの勉強会に出かけていき、スペシャリストの資格を取り、県内で実践するようになりました。とにかく楽しい。地域の子供会や小学校に出かけて、子ども達と一緒にワークをしていると、子ども達からエネルギーをもらって、元気になる。昼間の仕事で疲れた心が、子ども達が元気になって行く姿を見る中で癒されていく。最初は医療関係者、福祉関係者、心理職など専門家の集まりだったのが、CAPをするようになってからは、一般職の女性や普通の主婦達がどんどん入ってくるようになりました。必然的に、沖縄児童虐待防止研究会という固いグループは消滅し、新たにおきなわCAPセンターの活動に変わっていったのです。 (^。^)
10年前にCAPと出会って、その縁でCAPメンバーと素敵な出会いがあって、がむしゃらに走った時期もあり、やがてメンバーの地道な活動からNPO法人化も成し遂げて、おきなわCAPセンターの10年間が経過していきました。私たちも10才ではないけど、ちょっぴり年を取りました。(^_-)
さて、われわれの活動で何が変わったでしょうか。社会は変わったでしょうか。子どもにとって住みやすい、生きやすい日本になったでしょうか。残念ながらそういうことは実現できていません。相変わらず連日のように子どもが被害者となる残酷な事件が新聞やテレビで報道されています。となると、われわれの活動は砂漠に木を植えるようなことかもしれません。あまりにも果てしない無謀な行為かもしれません。だとしても、私たちおきなわCAPセンターはこれからも、”安心・自信・自由”に生きる権利があるんだということを子ども達に伝え続けていきたいと思います。希望があるからです。人の心や身体は多くの暴力で傷つけられ、ズタズタになり、後遺症で長年苦しむこともあります。
でも人間の素晴らしさは、人を傷つけるだけでなく、人を癒し、自分をも癒す力が備わっていることです。そういう良いところを伸ばしていけば、みんな元気になることができるのです。
エンパワメントの種を蒔き続けていれば、それがやがて一面の緑を生むことを信じて、私たちはCAPの活動をこれからも続けていきます。 (*^。^*)



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